日本と海外のオンライン教育市場について調べたので、書いておきます。
どんなオンライン教育方法があって、どんな市場規模があって、どんな関連サービスがあるのか、ということを主に調べました。
結果的に、調べたのは大きく分けて
・大学の講義を無料受講できるオンライン教育(MOOC)
・プログラミング、デザイン、エクセルなどのPC操作のオンライン教育
・英会話のオンライン教育
・その他のオンライン教育/学び関連
の4種類です。
会員数や売上などの数字はニュース記事から拾ってきたものと推測が混ざっています。
メモに「?」がついている推測部分は僕の推測なのであてにならないかもしれません。
大学の講義を無料受講できるオンライン教育(MOOC)
Coursera
◎調査メモ
・アメリカ
・まだ収益は出ていない。規模を大きく、教育の質を高めれば、周辺で利益は出るだろうと考えられている。
・東大も講義を提供している。
コーセラ(英名:Coursera)は、スタンフォード大学コンピュータサイエンス教授Andrew NgとDaphne Kollerによって創立された教育技術の営利団体である。世界中の多くの大学と協力し、それらの大学のコースのいくつかを無償でオンライン上に提供している。
[コーセラ – Wikipediaより一部引用]
KHAN ACADEMY
◎調査メモ
・アメリカ
・動画だけではなく、テキスト入力での試験や実践練習もできる。
・大学生向けだけではなく、小学生レベルの算数もブラウザ上で実践練習をしながら学べる。
・創設者のSalman Khanが1人で立ち上げ、1人で動画を撮影し、1人で運営している。今も?
edX
◎調査メモ
・アメリカ
・京都大学も講義を提供することで話題になった。
・まだ講義の動画はあまりあがっていない状態のよう。これから充実していく?
遠隔学習者にとって朗報だ! Harvard University(ハーバード大学)とMIT(マサチュセッツ工科大学)が合同で、オンライン学習プロジェクトedXをケンブリッジで立ち上げると今朝(米国時間5/2)発表した。そのねらいは、学内のコースの拡充強化と、両校のコースを世界中に無料で提供することの両方だ。
[ハーバード大とMITがコースをオンラインで提供するedXプロジェクトより一部引用]
UDACITY
◎調査メモ
・アメリカ
・1つの動画は1分から5分ほどで区切られていて、講義のどこまで進んだかがわかりやすい。
・授業内容を映しているのではなく、おそらくこのUDACITYのWEB専用に講義動画が作られていて、質も高い。
・講義途中でクイズ形式で理解度チェックもできる。
「Udacityは、高等教育をあらゆる人々に拓くためにあるのです。」オンライン教育サイトの「ウダシティー(Udacity)」の共同創設者であり、グーグルの副社長でもあるセバスチャン・スランはこう語ります。
[スタンフォード大学発のオンライン学校「Udacity」が、真の教育革命を起こせる2つの理由より一部引用]
manavee
◎調査メモ
・日本
・高校生向けの大学受験の勉強動画
・非営利で運営
・大学生や卒業生などが高校生向けにボランティアで授業
「地理的・経済的な教育格差の是正」を目標に、誰もが無料で行きたい大学に行ける学習環境を実現する活動を行っている。主な活動スタッフは大学生であり、東京大学を中心に北海道大学から九州大学まで全国25大学、200人の学生らが「先生役」として協力している。
[manavee – Wikipediaより一部引用]
スクー
◎調査メモ
・日本
・主にビジネスマン向けの授業。
・生放送の動画授業を無料で受講できる。録画授業は有料で月額525円。
・2013年2月12日時点でユーザー数は34,000人以上。
・有料会員率は不明だが、仮に10%だとしたら、3400人*525円=178.5万円の課金売上。5%なら、1700人*525円=89.25万円の課金売上?
・成長見込みはユーザー数100万人、有料ユーザー10万人*525円=5250万円の課金売上?
プログラミング、デザイン、エクセルなどのPC操作のオンライン教育
Lynda.com
◎調査メモ
・アメリカ
・プログラミング、SEOの方法、エクセルの使い方を動画で学べる。
・月額25ドルの有料会員が100万人いる。売上25億円(2500円*100万人)。(2011年時点)
・動画を投稿する専門家には動画再生回数に応じて報酬を支払う。
treehouse
◎調査メモ
・アメリカ
・サイト作成、プログラミング、アプリ作成などを学べる。
・それぞれの専門家による1000以上のビデオがある。
・就職のためや、スタートアップ(起業)をするための勉強として活用してほしい、と考えている。
・シルバー会員25ドル/月、ゴールド会員49ドル/月。
BLOC
◎調査メモ
・アメリカ
・定期的に開催される期間区切りのオンラインブートキャンプに12週間参加することでプログラミングを学べる。
・12週間で4993ドルの受講料。
・最低でも週25時間の授業を受けてほしい、とのこと。
・高額だが、期間を区切って集中開催される授業と専任講師にいつでも質問できる環境がある。
Codecademy
◎調査メモ
・アメリカ
・実践をしながらプログラミングを学べる。
・学べるだけではなく、ユーザー同士で教えあうコミュニティが重要な要素。
・利用料無料。2013年1月時点では収益化の方法はまだこれから考える、とのこと。
ドットインストール
◎調査メモ
・日本
・3分動画でプログラミングを学べる。利用料無料。
・通信添削コースがある。コースによって価格が異なる(コース例:10日で5250円)。
・2013年5月23日時点で273名が添削コースを受講済み。
・添削コースは2012年12月から開始されているので、約半年で273名、月平均45.5名が受講と試算すると、45.5名*5250円=添削コース売上約23.9万円?
英会話のオンライン教育
レアジョブ
◎調査メモ
・日本
・オンラインで海外にいる英語講師と会話をして英語を学べる。
・講師とのやりとりはスカイプ。
・2013年2月時点で登録会員数は15万人。
・4000円〜8000円の月額利用料。平均顧客単価は6000円?
・仮に有料会員数が5%なら課金売上4500万円、10%なら課金売上9000万円、20%なら1.8億円、30%なら2.7億円?
ベストティーチャー
◎調査メモ
・日本
・テキストチャットで海外にいる英語講師と半会話をして英語を学べる。
・オンライン(スカイプ)で海外にいる英語講師と会話をして英語を学べる。
・月額利用料3980円。
・2013年3月18日時点で会員数は数千人。
・仮に会員数5000人で、有料会員が5%なら250人*3980円=課金売上99.5万円、有料会員が10%なら199万円、20%なら398万円、30%なら597万円?
※英会話など語学のオンライン教育サービスは他にもいろいろあるがスカイプを使うなど提供内容が似ているので調査省略
その他のオンライン教育/学び関連
すらら
◎調査メモ
・日本
・小学生から高校生向けのネット対話型アニメーション教材。
・主にすららが学習できる塾(すららサポート教室)に通って使う。ただし、近くにすららが導入されている塾がない場合、家でも受講できる。
・随所で先生役のキャラクターが問いかけを行い、問題に答えていくというスタイル。
・月1回の目標設定、週1回程度の電話やメールでの進捗確認。
・RPG的世界観やレベルアップ制度。
・売上1億9320万円(2.3万人*月額8400円)?
「すらら」とは、小学校高学年から高校生のお子様が国語・数学・英語の三教科を、インターネットを通じてパソコンで学ぶことができる「対話型アニメーション教材」です。学習されているお子様は、全国で23,000名を数えます。(2013年3月末現在)
[すららの特徴より一部引用]
Cyta.jp
◎調査メモ
・日本
・英会話やギター、ピアノ、ランニングなどプライベートコーチとのマッチングサイト。
・1レッスン3600円〜4800円を受講者が支払う。入会料8000円。平均レッスン単価は4000円?
・2012年9月時点で、受講者数15,000名を突破。
・仮に月500人が受講するのであれば、500人*レッスン料4000円*月間受講回数1.5回=300万円、仮に月1000人なら1000人*レッスン料4000円*月間受講回数1.5回=600万円?
趣味なび
◎調査メモ
・日本
・全国のカルチャー教室を紹介するサイト
・カルチャー教室側が掲載料を支払う。0円〜8400円/月。有料掲載の平均単価は4000円?
・2013年5月23日時点で、カルチャー教室掲載数8921件。有料掲載は5%?
・有料での掲載率が仮に5%なら446件*4000円=178.4万円、仮に10%なら892件*4000円=356.8万円、仮に20%なら1784件*4000円=713.6万円?
スタディプラス
◎調査メモ
・日本
・主に大学生向け。勉強時間と成果を管理するツールとコミュニティ。勉強のモチベーションを維持できる。
・利用料無料。
・アドセンスと、学習塾へのシステム提供で収益化?
・2012年12月21日時点で、利用者数5万人を突破。
mana.bo
◎調査メモ
・日本
・生徒がいつでも講師に質問できるマッチングアプリ。
・生徒が自宅などで勉強をしているときにスマホで問題の写真を撮り、アップすると、手の空いている適した講師が回答してくれる。
・mana.boを導入する塾から利用料をとる。
はじめてしっかりと見たり使ったりしてみたサービスも多かったですが、いろんなやり方があるなぁと思いました。
当たり前ですが、例えば、「動画教育」と仕組みが似ていても、動画の内容が違ければまったく違う印象を受けますし、創意工夫が積み重ねられているんだなぁと改めて感じました。