生産性を上げるためにはタスク管理スキルを向上させることが重要です。タスク管理スキルを上げるためには以下の5段階を認識して、実行していくと良いでしょう。

タスク管理の5段階

  • 1段階:重要度・緊急度の認識
  • 2段階:やることの見える化
  • 3段階:優先順位で並び替える
  • 4段階:時間管理と合体する
  • 5段階:効果測定を日々実施

1段階:重要度・緊急度の認識

タスクには「重要度」と「緊急度」があります。
「この問い合わせに返答をすることはそんなに重要ではないんだけど(重要度)、相手が待っているし1時間以内には返答完了したい(緊急度)」というものです。

  • 重要度・緊急度:高・高【優先順位1】
  • 重要度・緊急度:高・低【優先順位2】
  • 重要度・緊急度:低・高【優先順位3】
  • 重要度・緊急度:低・低【優先順位4】

【優先順位1】の重要度・緊急度の両方が高いものは当然最優先で今すぐやるべきです。

【優先順位2】と【優先順位3】は逆の対応になりがちです。「このタスクは重要なんだけど急ぎではないから後回しにしよう」ということは毎日のように起こります。

ここが特に注意しないといけないことです。ケースバイケースで優先順位が入れ替わることはありますが、本来先にやらないといけない重要度が高いタスクを後回しにしてしまっているという認識を強く持つ必要があります。

重要度・緊急度はあたりまえの考えかたですが、日々を過ごしていると認識が弱くなりがちです。この認識をどれだけ強く意識できるかが生産性アップの1つめのステップです。

2段階:やることの見える化

多くの人がやっているタスク管理です。ポストイットやメモ帳にやるべきことをどんどん書いていって、頭で覚えるということをできるだけやめます。デスク周りにポストイットを大量に貼り付けているにはよくある風景です。常に自分の目に触れるところにタスクリストを置いておくことで、忘れずに実行します。

ただし、これだけだとタスクは増える一方で、自分の気分で「どれからやろうかな」と決めてしまいがちです。

3段階:優先順位で並び替える

1段階目と2段階目の合体です。見える化されているタスクリストを重要度・緊急度を意識しながら優先順位順に並び替えます。

【朝出社したら「今日やるべきこと」を優先順位順に並び替えて、上から順番に実行していく】というタスク消化のしかたをしている人も多いと思います。

ただし、これはやるべきことをやりきれない可能性が高いやりかたです。優先順位を入れ替えやすいため急遽差し込まれたタスクへの対応には強いですが、「今日やるべきこと」としていたタスクの後半は終わらずに翌日に持ち越すということが毎日のように起きるでしょう。翌日に持ち越していない人は「残業が多い(生産性が低い)」か「今日やるべきことの予定が少ない(生産性が低い)」可能性があります。

4段階:時間管理と合体する

3段階目でタスクの優先順位については解決していますが、やりきれない(時間との戦い)問題があることがわかりました。次はそれを解決するために「タスク管理」と「時間管理」を合体させます。

シンプルな方法はカレンダー(グーグルカレンダーが使いやすいです)です。カレンダーにタスクをどんどん入れていって、予定を埋めていきます。タスクによっては5分で終わるものから、2時間かかるものと様々ですが、できるだけ正確な予測時間で登録していきます。

<カレンダーにタスク登録するコツ>

  • 数時間以上かかるタスクは1時間以内のタスクの粒度にしてタスク登録する
  • タスクは「◯◯対応」ではなく、「◯◯対応(企画書を作って、上長にメール提出する)」「◯◯対応(△さんに電話する)」と、具体的な行動とアウトプットを決めて、タスク登録する(動詞でタスク登録する)
  • いつやるべきか決まっていないタスクもカレンダーにどんどん登録する。このとき時間管理の邪魔にならないように金曜の深夜や休日などに一次登録しておいて、あとでいつやるかを見直す
  • 定期的に実行するルーチンタスクはグーグルカレンダーの繰り返し登録機能を使うと便利
  • 毎日帰るときには翌日の予定が100%埋まっている状態にする

ただし、これだけだと自分の生産性が高いのか、低いのかがわかりにくいです。より生産性を高めていくためには効果測定を日常に組み込むことが良いでしょう。

5段階:効果測定を日々実施

日々のタスク実行をしていくなかで、より生産性を上げるためには
・やるべきことをやったのか
・それはは本当にやるべきことだったのか
を把握し、日々見直し続けることが良いです。

おすすめの方法は実績カレンダーを作ることです。4段階目のカレンダーは「予定カレンダー」ですが、それに加えて、「実績カレンダー」を作ります。グーグルカレンダーでは、マイカレンダーにカレンダーをもうひとつ追加して同じ画面上で2つのカレンダーを表示することができます。

予定カレンダーを見て、今から自分がやるべきタスクを把握して、タスクを完了したら、実績カレンダーにやったことを登録する。
この流れでタスク1つの実行開始から完了までです。

毎日、「翌日の予定カレンダーを登録する」「当日の実績カレンダーを見て反省する」ことを繰り返すことでやるべきタスクを実行できるようになっていきます。

追記

他に生産性を上げる方法として、「タスクをポイント制にして、毎日何ポイント分のタスクを実行できたかひと目でわかるようにする」ことも良いでしょう。

例えば、
・メールチェック/返信:1ポイント
・企画:2ポイント
・実装:3ポイント
と決めておいて、1日に「メールチェック/返信2時間、企画3時間、実装3時間」を実行したら、「1[ポイント]×2[時間] + 2[ポイント]×3[時間] + 3[ポイント]×3[時間] = 17ポイント」となります。

これで別の日との比較がしやすくなって、「今日は昨日よりもポイントが高かった」「今日はいつものポイント平均よりも明らかに低いからダメな日だった」と反省をすることができます。

まとめ

タスク管理をしやすい具体的な手法は人によってそれぞれ少しずつ異なると思いますが、全体像としてはこの5段階をクリアすることが重要です。