「実現力」が事業推進スキルのすべてだと言っても過言ではない
「アイディアに価値はない」は極論ですが、アイディアよりも実現することの方が圧倒的に重要です。10,000倍重要です。アイディアを出した人に1万円を支払うなら、実現した人には1億円支払いたいです。
アイディア→実現までの道のりには、ビジョンに昇華する、市場把握、STP、顧客理解を深める、要件定義する、実現するためのリソースを集める、設計する、実行する、間違えながら試行錯誤する・・・といった多くの(事業のすべての)要素が含まれています。
個別スキルは実現力を高めるための手段です。実現力の向上に紐付かない個別スキルは趣味です(趣味なら趣味でやることはいいのですが)。
実現力が高い人はどんな人か
「実現力が高い」のはどんな人か。
パッとイメージできるのは
「あの人、いつも質が高いアウトプットをして、世の中に受け入れられるもの作ってるよね」
という人です。
実現力高そうです。
ただし、もっと実現力が高い人がいます。
「あの人に言われると納得しちゃうし、周りの人の行動に深く長く影響を与えるよね」
という人です。
結果的に実現するのは本人ではなくても良く、しかし、その人がいないと実現はしないという人は「実現力が高い」と言えるでしょう。
実現力の成長7段階
実現力を高めていくにはこのような段階があるのではないかなと思っています。
※複数人ケースは社内外人員問わず
1:サポート実現
自分以外に主導権を持つ人がいて、その人を支援して、実現をサポートする。
2:1人実現
最初から最後まで自分1人で実現する。
3:少人数実現(5人程度)
主導権を自分で持って、周りの人にサポートを受けて、実現する。チームの1人1人の動きを細かく把握できている。
4:中人数実現(30人程度)
主導権を自分で持って、周りの人にサポートを受けて、実現する。チームの主要な人の動きは把握できているが、全員の細かな動きは把握できていない。
5:多人数実現(100人程度)
最終意思決定を自分で持っているが、主導権を持つ人がチーム内に複数人いて、それぞれがパラレルに動いている。
6:複数組織実現(1000人程度)
100人程度のそれぞれの組織が自律的に動いていて、それぞれが実現力を持っているが、その方向性を自分が決めて、浸透させられる。
7:社会実現
組織化されていないが、その人の一挙一動に多くの人が注目していて、その人の発言や行動に自然と周りも引っ張られて、世の中にできあがるものに大きな影響を与えている。
それぞれの段階で100点を取らなくても次の段階に進むことはよくありますが、原則は1から順番に実現力を高めていくことになります。
ただし、「2」の個人実現力のみをとにかく掘り下げていくこともありです。人事でよくあるプロフェッショナル目指しますか? マネジメント目指しますか? の選択です。
勘違いしてはいけないのは「6」や「7」に近づくほど偉いわけではないということです。その勘違いをすると「6」や「7」に一見至っている人でも実現力は低いです。
実現力は「深さ」×「広さ」を高めることが大事
「深さ」×「広さ」を最大化していくことが実現力向上につながります。
・どんなことでもしっかり実現しきることができる「実現力の深さ」
・多くの人と同じゴールへ向かえる「実現力の広さ」
まずは自分1人でしっかり実現していく深さを身につけて、その上で、より多くの周りの人と一緒に実現していく広さを身につけていけると、「たくさん実現できる」状態に近づいていけそうです。
※過去の社内向け記事